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2010年 01月 23日

「天地明察」

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江戸時代は四代将軍家綱の御代。
主人公は、囲碁をもって幕府に仕える碁打ちの名門・安井家に生まれた渋川春海。
家業の碁所に飽き、変わりに算術をこよなく愛する彼に、時の老中酒井忠清より日本独自の太陰暦を作り、800年ぶりに改暦をせよという大きな使命が下された。
以後20数年に渡る春海の長い苦闘が始まる・・。

春海はどちらかというと頼りなくぱっとしない、天才とかヒーローとかとは縁遠い人物。
けれど持ち前の探究心と 何よりも彼の素直さ、誠実さが魅力となり、周囲の多様な分野の人々の助けを得て壮大なプロジェクトを成し遂げる。
しかし彼の生涯は挫折続きだ。
話の結果を知っていても、何度も「あぁ・・もうダメだ・・。」と読んでるこちらが先に諦めてしまうほど。
退屈な勝負に身を委ねず、己にしかなせない行いを選んだ春海はひたむきに そして情熱を持って突き進む。何かを成し得るひとはこんなにも静かで、熱いのだなぁと胸を打たれた。

『熱くならない魂を持つ人はかわいそうだ』という長いタイトルのついた歌を思い出した。
熱くなる魂を持つ静かな人にたくさん会いたい、と思った。
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by bookswandervogel | 2010-01-23 23:24


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