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2010年 01月 30日

「随時見学可」

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ノンフィクションとフィクションの境界線上にたっているような。エッセイと小説の狭間にあるもの。
この小説の位置を決めるとしたら、とても難しいだろう。

短編集の冒頭の作品は、さらりとしたエッセイのように思わせる。
けれど読み進めるうちに、だんだん だんだん視界がぼやける感じ・・真っすぐに走ってたと思っていたレールが歪みはじめる・・。

どの短編も街や建物、空間を細やかに詳しく示していて、主語を使わず主人公を透明化した描き方は、読み手を「そこ」に立たせ体験させてくれる。
けれどなぜかどんなに読んでも、ちゃんとした空間 部屋なり建物なりが出来上がらない。だんだん だんだん物語の不思議な感覚を得てくると、輪郭のはっきりしない空間さえも楽しく思えてくるのだ。
最後まで読んでみて、この人の作品はミステリーに限りなく近い気がした。

大竹さんは「カタリココ」という小説の朗読会、作者が自身の作品を読むというイベントを開催している。
詩の朗読会はあっても、小説という分野では珍しい。
しかしドイツでは作家は朗読会で食べていけるくらい頻繁にあるそう。「読書」という文化がまた広がるようなイベントにいつか参加してみたい。
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by bookswandervogel | 2010-01-30 18:33


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