2010年 05月 08日
冒頭の『砂漠を走る船の道』という短編で『ミステリーズ!新人賞』を取った梓崎優のデビュー作。最近活躍する作家さんに『経済学部卒』が多いと思ってるのは私だけでしょうか?謎です。 世界を股に掛けるジャーナリストの斉木という男が赴いた先で遭遇する不可解な事件。 ある話は鬱蒼とした南米のジャングルの中、またある話は霧にけぶるロシアの静謐な教会で...。 謎の提示とその解明は、その土地ならではの価値観や文化を絡ませたものなので、斉木と同じ目線(日本人)の私たちはその事件が起きたそもそもの理由から先入観を覆され、「??!」と焦ってかなりなページを逆戻ることになる。 ワールドワイドな設定ながら、説明的な掴みもなく 大げさな展開も見られない。 探偵でもなく刑事でもない「斉木」という男の立ち位置がとても控えめで 事件を執拗に追うような”熱さ”が無い分、さらりと上手くまとめあげているように思う。 ミステリ好きでロマンティック好きには是非おすすめの作品。
by bookswandervogel
| 2010-05-08 23:44
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