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2010年 05月 21日

「1Q84  BOOK3」

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BOOK1、2を読み終えて、さてこれはこれで終わったのだろうか?と誰もがたぶん思ったことでしょう。
発売後すぐから「どうやら3巻目もあるらしい」と噂されていたので、果たして私はこの続きが読みたいかな?と考えてみたけれど、一番気に入りの主人公が居なくなったことで『青豆の居ない世界なんて。』と半分興味を無くしていた。

けれどなんとー!
BOOK3で青豆は復活していた。復活、というより何とも無かった。
そして1、2で僅かに登場した牛河という男が3ではとても重要な役割を持って登場する。
前回ではその容貌と気味の悪い存在から出て来る度に嫌悪感を覚えたが、3では相変わらず気持ち悪いのだけど何とも魅力的に描かれ、牛河の登場場面をいちばん面白く読んだ。

まだまだ読んでる方が多いと思うので印象づけはよくないけれど、個人的にはミステリーとして捉えて読んでいたので、少しSF的恋愛小説になってしまっていたのが残念。
でもひとつの小説で読者をこんなにも惹き付けて読ませて、読んだ後こんなにもそれぞれの個人的見解をいろいろ語らせて、またその小説の行方にこんなにも憶測が飛び交う、そんな書き手はなかなか居るもんじゃあないな と村上春樹の凄さをまた再確認した。
彼の本当に真剣な作り話をいつまでもわくわく読みたい。

by bookswandervogel | 2010-05-21 01:12


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