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2010年 01月 08日 ( 1 )


2010年 01月 08日

「後悔と真実の色」

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若い女性を狙った連続殺人事件が起きる。遺体からは人さし指が切り取られていた。犯人は「指蒐集(しゅうしゅう)家」と呼ばれネットでの殺人予告、犯行時の実況中継などで警察を翻弄し、足がかりさえ掴めない捜査は困難を極めていた。ー

犯人逮捕のため全力を尽くして向かっているようで、警察内部での管轄の駆け引きや、見えない足の引っ張り合い、手柄を立てるための思索など 私欲や打算が絡んだ、犯人vs警察だけではない人間臭い内部の描写が面白い。

章ごとに一人称が変わり、特に主人公の捜査一課の刑事・西條に対するそれぞれの目線はラストに向かうにつれ意味を増して来る。
エリート刑事・西條のまっすぐ過ぎる熱い性格、スマートな容姿、切れる頭脳をもってすれば最後までかっこよく描かれたりするものだが、ある出来事からの落ちぶれぶりが容赦なく、いったいどこまで行ってしまうのか?と殺人事件とは別の部分でハラハラした。

人の弱さと汚さと狡さが混じり合いながらも、「これだけは守りたい」という人としての尊厳を失わずにいる。そうだ 両方あるのが人間だよねと正統派ではない、けれど熱い刑事たちがここに居ます。
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by bookswandervogel | 2010-01-08 00:10