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2009年 03月 13日

「ファミリーポートレイト」

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第一部は母と娘の物語。
救いのない生活を送りながらも、母への愛という使命感と彼女を支える本との出会いで
幼い少女は幻想的な世界をきらきらと生きる。

第二部は大きくなった娘のその後の人生が描かれる。
物語を愛した娘は成長し、かつて彼女の全てだった母の幻を求めながらも、どこにも存在しない人間として生きてきた彼女が、自らの物語を少しずつ紡ぎ始める。


少女期のコマコが 読んだ物語の中で生き生きと立ち振る舞う場面がとても可愛く、愛おしい。
この頃の年代の あちらとこちらの世界の曖昧さがとても上手く描かれている。

この本が好きだ、といったら「暗いね。」と言われそうな本のような気がするけれど、
自分の中で桜庭作品No.1だった「赤朽葉家の伝説」を超えたかも。
いろいろな場所に連れて行ってくれる、読書の醍醐味を再認識させられた。
物語を愛する著者の自叙伝のような作品。
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by bookswandervogel | 2009-03-13 23:03


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