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2009年 03月 19日

「不連続の世界」

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大好きな作家、というわけでもないのだけれど なにげに読んでる恩田陸。
主人公が日本を旅して綴る連作短編。

中でも尾道が舞台の「幻影キネマ」がよかった。

人は、あまりにも辛いこと悲しいことがあると 背負いきれずに、本人の意志とは別の方向の気持ちが現れたり、行動をとってしまったり、ということがある。受けとめたくない認めたくない、そんな思いが意識より下で働き、知らずに行動を起こさせる。

多くの人が犠牲になった事件や事故で、無事だった人がその後 加害者でもないのに自分を責めたり、助かったのに死にたくなったりするのは、そういう現れだろう。
とても悲しいお話だけれども 結末はほろりとあたたかい。

どの話も怖いのだけど、最後には救いがあるというか、隙間に光が見える感じ。
恩田陸を読んだことが無い人にオススメしたい本。
主人公は「月の裏側」という既刊本に出てくる人物だけれど、特に先に読んでおく必要なし。
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by bookswandervogel | 2009-03-19 01:21


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