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2009年 04月 23日

「咲くや、この花」

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「左近の桜」の続編。このシリーズはまだまだ続きそう。
男同士が忍び逢う 宿屋「左近」。その宿の長男・桜蔵はその気はないのに、妖しいモノ(現世の者でない、しかも男のみ)を呼び寄せてしまう。

前作の「左近の桜」と同じで、短編のパターンが 誘われる→いつの間にか落ちる、と決まっている。
けれど、男色の世界でも 結局同じ流れでも わくわくページを繰る手が止まらないのは、こちらの世界とあちらの世界が知らないうちにひっくり返っている面白さと、粋な言葉が出てくる台詞、風景や色彩、香りを表現する文章が色っぽく、艶っぽく、魅力的だからだろう。

現代が舞台のはずだけれど、使われる言葉が古めかしく日本語の美しさが際立つ。
桜蔵自身の礼儀や所作は、妖しいモノと関わりながらも清々しい。
がちゃがちゃとした今の時代でも「美しいこと」に常に重きを置くと、本当はこんなにも いろいろなものの美しさに目を奪われながら 日々彩り豊かに暮らせるのかも知れない。
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by bookswandervogel | 2009-04-23 00:22


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