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2009年 05月 20日

「見えない音、聴こえない絵」

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ある日、小学生の大竹少年は『学級新聞』なるものを作る係を任せられる。渡された模造紙を見て「こんな大きな紙がこの世にあったのか!」と驚く。家に着き、畳の上に広げ、何かを描きたいという思いが込み上げてくる。(既に学級新聞という文字は頭から消えている・・。)

ーふと、デカい「ポパイ」を描こうと思った.そうだ「等身大のポパイ」だと思った。自分と同じ大きさのポパイしかないと思った。これはヤッタゾ!という気持ちになった。デカい「紙」にデカい「ポパイ」、これ以上の考えはありえない気分になっていた。あとは描くだけだ。ー
果たして大竹少年は等身大ポパイを描き上げ、さらに輪郭に沿って切り取る。
これが「コラージュ」初体験ではなかったか?と本人は語る。

作品の制作に直結する衝動や思いを、誰もが知りたいと思っている。
その「わからなさ」を探ろうと、人は展覧会に足を運ぶのだ。
著者は言い切れないもどかしさ と 届くことのないもどかしさを理解しつつも、この本では可能な限り、その「わからなさ」を言葉に置換えていると私は思う。

その後、切り取ったペラペラでフニャフニャのポパイと大竹少年は、畳の上に並んで寝て 天井を見上げる。
なんてすてきな原風景だろうと心打たれた。
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by bookswandervogel | 2009-05-20 01:09


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