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2009年 05月 21日

「純情エレジー」

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この著者は官能的表現がよく話題にされるけれど、その部分以外の話のひだの部分がとても丁寧に描かれていて、いわゆる刺激的な官能小説を読んだような読後感は無く、むしろぎゅうっと胸の奥がせつない。
姫野カオルコ若い版、といった感じ?の真っ当な純文学。

短編7編 どれも彼と彼女の確立した関係は無い。(一編だけ夫婦という設定はあるけれど。)
安定した未来や周りに認められる安堵感などとは無縁だけれど、その時に出会い、その時にお互いが必要だと思ったものが全てある、純粋で刹那的な距離間。

現在休筆宣言している豊島さん。
小説新潮での、休筆について書かれた文が とても真面目でその分苦しそうなのが印象的でした。
待っていますよ ゆっくりと。どうか心朗らかに暮らせますように。
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by bookswandervogel | 2009-05-21 01:02


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