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2009年 08月 02日

「エッセンス・オブ・久坂葉子」

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ずっと気になっていた作家だった。
19歳という若さで芥川賞候補になるも、21歳で鉄道自殺した久坂葉子。

美貌と才能、そして若さに溢れていた彼女は何を思って死に至ったのか。

彼女の書いた小説 戯曲 詩を読んでみると、どれほどのエネルギーを使って生きていたかが読み取れる。多くは家庭の重圧、恋愛の破局、執筆の行き詰まりが死因と言われているが、どれも当たっているようで、どれも違っているような気がしてならない。

『幾度目かの最期』(亡くなった日に書いた遺作)で「私のような、過激で、情熱のかたまりみたいな女は、恋愛して、そのまま結婚することは、とてもできない。」と語っているように、誰かを強烈に求めながらも、誰をも愛しきれない、誰の元にも収まりきれない自分の余在る強さと、それ故の脆さを知っていたのかもしれない。
自分の命の短さも知っていて、その短さにさえ抗うように自死を試み、4度目で亡くなった。

たった21歳で逝った彼女の放った光は相当なものだったのだろう。
アンソロジーが出版されたり、「久坂葉子研究」する人が後を絶たなかった。
作家の久坂部羊さんのペンネームもこの人から。
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by bookswandervogel | 2009-08-02 10:57


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