2009年 08月 23日
阿部轍正は27才で戦後復員し、大阪・十三にあった実父の持ちビル”骸骨ビル”を手に入れるが、そこには既に戦争孤児が住みついていた。ー 阿部は生涯独身を貫き、戦争孤児たちを育て上げた。 時が経ち、平成6年 今だ骸骨ビルに住みついている大人になった孤児達を立ち退かせるためにやって来た男(脱サラし人生の岐路に立っている。)は、その住人達と触れ合いながら 亡き阿部が残していったもの、阿部の生き方の意味を、時を超えて知らされることになる。 本文で引用されているヴィクトル・フランクルの『意味への意志』が興味深い。 「われわれは他者の人生に意味を与えることはできませんー人間の人生への究極的意味への問いに対しては もはや知的な答えはあり得ない。ただ実存的な答えしかあり得ないからです。」 人生の旅のはなむけとして他の存在に与えることのできるものーそれはただひとつ、まるごとの私の存在という実例だけだ、という言葉は 誰に対しても優しく、かつ存在する意味を与えてくれる温かい言葉だと思った。
by bookswandervogel
| 2009-08-23 01:17
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||