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2009年 09月 15日

「いらっしゃいませ」

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出版社に就職した女の子 みのり。配属先は受付。
                         
新入社員のみのりは、なんでも吸収してやろう 早く人に慣れよう あの先輩のようにばりばりこなそうと意気込み、そして何事にも経験が少ない自分がとてもまどろっこしい。

そして。一年もたたないうちに、こう思う。
『会社員になったからといって、ファンファーレが鳴るような、華々しい日々が始まったわけではなかった。「新人」が「新人」として、みんなに面白がられてたのは最初の一ヶ月だけではなかったか。その後は、仕事を覚えることに一生懸命で、その時期が過ぎると、なんだか慣れてきて、その次にくるのはただの繰り返しだった。会社員だということは、この繰り返しに耐えるということなのだ。』    

日々の単調さに心は風化してしまいそう。けれど負けちゃだめだ、とみのりは思う。
会社で働いていくのに必要なのは、我慢のなかでも「何か」を忘れないことではないか。
「何か」とは入社時にだれもが感じる、あのキラキラした気持ち。

みのりは自分の身の丈を知っていて、正義感が強い。やさしくて、きびしい。
起伏があるようでないような毎日の仕事をこなしながら、ふと思い出したように「わたし、ちゃんとしなくちゃ。」と、漠然とだけど自分を律する彼女が とてもかわいらしい。             
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by bookswandervogel | 2009-09-15 23:58


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