BOOKS WANDERVOGEL

bookwangel.exblog.jp
ブログトップ
2009年 11月 11日

「ほかならぬ人へ」

b0145178_1955378.jpg
ほかならぬ、かけがえのない人が誰にもひとりは居るだろう。
男女の分け目なく存在すると思うけれど、白石氏が描くのはやはり彼のライフワークでもある「恋愛の本質」を突き詰めた「愛するべき真の相手」だ。

主人公の明生となずなはお互いをほかならぬ存在と認め、お互いを欲し、周囲の反対を押し切ってまでして結婚する。けれど何故か二人の心は離れていってしまうのだ。
結婚した当初はそうなると思いもよらず、お互いを選んだことは間違っていなかったはずなのに...。
それぞれに、自分の真に愛する相手を「やはりこの人しか居ない!」と思い直すなずな。長い長い歩みよりの上で、相手を好きになったことをゆっくりと認めていく明生。

どちらの「真なる相手」の見つけ方も、その人を失ったり 失いかけたりした時に「ほかならぬ人だ」と気付いているのが悲しい。
その時の年齢や出会い タイミング、付き合った長さやその他の諸事情がうまくお互いの条件に見合った人と一緒になるケースがほとんどだろう。
けれどもほんとにその条件が合えばそれでいいの?そういうものをも乗り越えるような 自分でもどうしようもなくなるような想いを忘れてはいませんか?と著者は投げかける。

長く共に居る 居ないにかかわらず、ある日出会った人が本当に素敵なひとで 自分の中で無二の存在、かけがえのないほかならぬ人だと一度でも思ったことがあるならば、それはとても幸せなことではないだろうか。
[PR]

by bookswandervogel | 2009-11-11 01:17


<< 「製鉄天使」      「ジュールさんとの白い一日」 >>