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2009年 12月 05日

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」

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女の人が他人を見つめる視線を言語化すると、こんなにも厳しいものなのかー 。嫉妬 憧れ 焦り 自己否定・・・他人を冷静に分析し評価する視線は 実は自分の中にもある同じ部分を認め、自己嫌悪するものでもあるのだ。

都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。幼なじみの彼女達の距離はすでに遠いものとなっていた。あの事件の起こる日までは。
異常なほど仲の良かった母を殺して逃亡するチエミ。その事件の中に、逃げるチエミの中に自分を感じて追うみずほ。

「チエ、どうして?
 私は思う。
 どうして、お母さんを殺したの。何故それは私の家ではなく、あなたの家だったのだ。」

全ての娘は 等しく母に傷つけられている。 そして母も。
キャリアウーマンの道が想像できる都会の女性と違い、地方の女性は結婚しなければ親との密接な関係が避けられない。自立するには結婚しかなく、都会とは異なる息苦しさが20〜30代の娘にはつきまとう。
著者が書きたかったというこのテーマに、世代・環境・立場に関係なくどの女性も 登場する彼女達のどこかに自分のカケラを見出すことになるだろう。
タイトルの「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」に仕掛けられた事実を知ったとき、読者それぞれにどんな思いが込み上げてくるのだろう? 読み終わった人と語ってみたくなる。
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by bookswandervogel | 2009-12-05 16:26


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