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2009年 12月 10日

「蝶々喃々」

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めげずに小川糸2作目。
ひとつの作品だけ読んで『こういうのを書くひと』と判断せずに 折りをみていろんな作家さんにチャレンジしたいと思っています。

今回は下町・谷中でアンティークの着物を売るお店の女性が主人公。
栞の居る小さな『ひめまつ屋』には外国人のお客さん、話だけしにくるご近所さん 雰囲気のある着物を探しにくるお客さん 様々な人が行き交う。ある日茶道を習い始めたという春一郎さんが着物を求めにやって来て・・・。

季節の移ろい、着物のもつ独特の雰囲気、糸さんお得意の美味しそうな旬の食べ物!がしっとりとした女の人の目線で描かれている。文中に出てくるおかずを真似して作ってみたらとても美味しく出来た。
またお話に出てくる神社のお祭りや 彼らの行くお店などは実在するものなので、本を片手に物語散歩というのもいいかも知れない。行ったことのあるお店が出て来てうれしかった。

はてさて栞と春一郎さんの行方は賛否両論あるだろうけど、人と人の心がつながるということは 本当に尊いもので とても不思議なもので 予想もしえないことで あたたかいものだなぁと思った。
ほとんどが二人のひそやかな気持ちを描いてはいるが、背景には重いもの 誠実に向き合いたいという想いも感じられる。
粋でいなせな近所のご初老・イッセイさんの「人を好きになるってぇのは、理屈じゃねぇもんなぁ。」というセリフは、イッセイさんの過去の哀しい恋心も匂わせて、きゅんとする。
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by bookswandervogel | 2009-12-10 02:06


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