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2010年 06月 20日

「六つの星星」

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川上未映子が精神分析、生物学、文学、哲学の師と語り合う。
語り合うテーマはつまるところ、『私とは何であるか』という永遠の問い。

思えば小さい頃、眠る時に目を閉じて このまま目を覚ましても暗闇だったらどうしようとか、今生きてるこの世が、風船が割れるみたいに テレビを消した時みたいに、ぱちん!と音を立てて突然終わるんじゃないかとか、三面鏡を覗くと見える、ずっと続く私の顔のいちばん向こうの私は、違う世界違う次元で生きてる私なんじゃないかとか、考え出したら止まらなくて、言葉にはなりえない不可思議さや不安でいっぱいだった。

確かに存在している自分に得体の知れない恐怖を感じるのは、ある時期の子供につきものなのだろう。
川上さんはまるで、頭の中はその時の子供のまま大きくなった大人の様だ。子供の時と違うのは、武器として言葉や知識を豊富に携えているところ。

「雪は溶け、水になった。それはわかる。しかし雪の白さはどこへ行ってしまったのだろう」から始まるあとがきは、それぞれの対談をぎゅっと束ねていてあたたかく、この本を作った意図が現れていて、とてもいい終わり方だった。
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by bookswandervogel | 2010-06-20 23:44


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